妻への「ありがとう」を贈るインタビュー

『このひより』運営チームのウィルソンです。
事例紹介では、サービスを利用いただいた方々の反応や、実際のインタビューや本の様子をお届けしていきます。
今回ご紹介するのは、かわいい息子さんが生まれたときのことを一冊の本にするため、旦那さんから奥さんへ贈ったインタビューです。
あくまで一つのギフトの形としてお読みいただきながら、「自分だったら、こんな場面で贈りたいな」とイメージを膨らませていただければうれしいなと思っています。

贈り手さま/語り手さまのご紹介

今回、ご依頼くださったのは岡山県にお住まいの亮一さん。当時1歳4ヶ月になる息子さんが生まれたときのことを本に残して、奥様・温子さんに贈りたいというご依頼です。

「がんばってくれたことに、本当に感謝してるから」

そう話す亮一さんとですが、オンラインでつないだ事前ヒアリングで伺ったのは、温子さんの妊娠・出産がとにかくつらいものだったこと。夫婦で振り返っても、あまり良い思い出が出てこないほどに温子さんにとって苦しい期間だったそうです。けれど、だからこそ今どう感じているのかを言葉にして残しておくことに、価値がある気がすると話してくれました。

読み返すたびに、かわいい息子さんへの愛情が増すような本を作れないか。亮一さんの想いを聞き、インタビューと本づくりの方向性が決まりました。

贈インタビュー当日の様子

インタビューは、亮一さんと温子さんが帰省する年末に、ご実家の近くの古民家カフェで行いました。

畳の個室で挨拶を済ませて話し始めると、最初はそわそわしていた息子さんが少しずつ遊び始め、大人たちの緊張もほどけていきます。聞き手のこのひよりライター(ウィルソン)がちょうど同年代の子どもを持つ母だったこともあり、親同士のおしゃべりのような楽しい時間となりました。

写真撮影も含めて、およそ2時間。出産当日のことは、実際にお写真を見せていただきながら一緒に振り返りました。何度か「それが、こんなに大きくなって……」と、隣で遊ぶ息子さんを見る温子さんの表情が忘れられません。普段、夫婦だけでは話さないような細かいところまで聞いていくと、今となっては笑い話の喧嘩のエピソードが出てきたり、「あのとき、実はこうだった」という思わぬ気持ちが聞けたり。“インタビュー”という体験ならではの時間になったのかな、と感じました。

できあがった本

このひよりでは、インタビューをした“この日”のことも大切な記憶として本の中に綴ります。今回、亮一さんと息子さんにもインタビューに同席いただき、一緒に記憶をたどる楽しい時間も残したつもりです。

 亮一 (妊娠したって伝えられた時を)俺は覚えてるよ。

温子 帰ってきたときに、言ったんだっけ?

亮一 そうそう、帰ってきたら、急に妊娠検査薬を渡されてさ。なんか「すごい発表があります」って感じで「はい!」って渡されたんだよね。

温子 ああ、そうだ。

亮一 すごいドヤ顔でね(笑)。でも、そのとき俺、妊娠検査薬が何なのか知らなくて。「ん? 何これ、どしたの?」みたいな感じになった気がする。説明されて初めて知ったんだよね。

温子 たしかにパッと見は反応鈍かったよね(笑)

−−“第1章 蒜山のふたりと小さな命”より

文章になることで、改めて当時の自分たちや家族を慈しむことができたら、という私たちの想いも込めています。だからこそ、つらかった場面や嬉しかった出来事も含め、当時の感情を大げさに表現せず“そのまま残す”ことを意識しました。

また、夫婦それぞれに見えていた世界を言葉にすることで、同じ場面でも違うストーリーがありました。例えば、出産を間近で見ていた亮一さんからの視点。

 「お父さん、ここ持ってて!」とか「仰け反らないように押さえて!」とか言われて。夜中じゅうずっと背中をさすってると、僕も疲れて朦朧としてくるんですけど「お父さん、ちゃんとやって!」みたいに言われたり。
本当に、どうなるか全然分からなくて。「産まれるってどういう感じなの?」みたいな感じだったんですよ。でも、あっちゃんはすごく苦しそうだし、だからなんかもう本当に……必死だった。ただただ、必死で。

−−“第3章 やっと会えた日”より

一方で、温子さんからは別の景色が見えていました。

  そのときのことで、唯一覚えてるのが亮くんの顔なんだよね。私たち、鶏を飼っていたことがあって、自分たちで屠殺(とさつ)するんですよ。そのときって、結構しっかり押さえ込んで、首をカッて切る。暴れるから大変なんだけど、あんまりジタバタさせても可哀想だから「くっ!」って。
私を押さえてるときね、そんな顔してた、亮くん(笑)。

−−“第3章 やっと会えた日”より

亮一さんと温子さんが出会って、息子さんが生まれて、家族になって。そんなご家族の道のりを、お二人の対話に、温子さんだけの語りを交えてまとめた本。最後には、両親が見つめる「息子さんとの未来」も綴っています。

いつか息子さんが大きくなってこの本を開いたとき、お二人の大きな愛を感じてもらえたら嬉しいです。

贈り手さま/語り手さまより

贈り手:近藤亮一さま

今回皆さんにお願いしてほんとうによかったと心から思っています。一冊だけの本を刷ること、贈り手・聞き手・語り手という3者で本をつくること、どれもほんとうに新しくて、それがゆえの難しさがあちこちにあるんだろうなあと思います。それでも、この優しさと人の温かさがつまったサービスを始めようとしている皆さん自身が、誰よりも楽しくずっと続けていけるような、そんなものになっていってほしいと心から願っています。ありがとうございました。またぜひ。

語り手:近藤温子さま

夫からインタビューのお話を聞いたときは、うまく話せるのかなととても不安でした。でも当日は和やかな雰囲気で進めていただき、ママ友に出産話をするような感覚で楽しくお話できたことを覚えています。先日、1年ぶりにふと本棚に置いてある「このひより」を手にとって、ぱらっと目に入ったページを読んだら、思わず泣いてしまいました!そんな思い出の1冊をこうして形に残していただき、とても感謝しています。

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